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お菓子の人の笑顔をー日本を代表するショコラティエ小清水氏が語るカフェレートの魅力

お菓子の人の笑顔をー日本を代表するショコラティエ小清水氏が語るカフェレートの魅力

中永紗瑠

日本チョコレート業界で圧倒的な存在感を放つショコラティエ、小清水圭太氏。 都内の有名パティスリーやチョコレート店で経験を積み、2021年にお菓子の細工教室「アトリエチョコッシー」を開業。2022年には、チョコレートのOEM製造を中心とする株式会社Chocolate Timesを設立し、代表取締役として活動の幅を広げています。 2024年に開催された「ワールドチョコレートマスターズ日本代表選考会」では、「BEST SHARE DESSERT」と「BEST CHOCOLATE ART」の2部門で最優秀賞を獲得し、総合優勝を果たしました。2026年には日本代表として世界大会への出場が控えています。 「創造力で笑顔を生み出す」という信念の下、新たなペアリングや表現方法を探求する小清水氏が今回手掛けたのは、「カフェレート -コーヒーを食べる-」とのコラボレーション。 そこに込められた想いや、カフェレートの新たな可能性についてお話を伺いました。 チョコレートとの出会い、一粒で笑顔を生む魅力に惹かれて ―パティシエを目指したきっかけについて教えてください。 大人の頃は、実は宇宙工学など、全然違う分野に興味があったんです。でも、ふとふと「もっと人の笑顔が見られる仕事をしたい」と感じて、真っ先に思い浮かんだのがお菓子作りでした。 ―たくさんのお菓子の中で、特にチョコレートに力を入れようと思った理由は何でしょうか? 専門学校に入ったときに、研修旅行でフランスに行く機会があったんです。その際、今場のショコラトリーを間近で見ることができました。 あ、チョコレートってひと粒で満足感を与えられるというか、「一粒で笑顔にできる『素材だと思うんですよね。』ふとしたことで、どれも自分もチョコレートでやりたい、という気持ちが芽生えました。 ―「Chocolate Times」を立ち上げたきっかけや経緯を教えてください。 Chocolate Timesを立ち上げる前は、個人事業主としてお菓子の細工教室を運営していました。 その活動を続けている中で、チョコレートのOEM体制の相談を受けられるようになったんです。 カフェレートと生チョコ大会受賞作品から着想を得た新たな試み ―今回、カフェレートとのコラボで生チョコを作っていただきましたが、どのような点で魅力を表現しようと考えましたか? 今回の生チョコレートのコンセプトを考える、大きなきっかけとなったのが、先日出場したワールドチョコレートマスターの国内予選でした。 その5つの中の課題の1番『シェアデザート』という、家族や友人など大切な人たちと一緒に楽しむデザートという課題がありました。 私がそのとき作ったのは、水出しコーヒーにカカオニブを加えて、フルーティーの香りを引き出した水出しコーヒーをベースに、酸味のあるアプリコットを組み合わせたデザートです。この作品で部門最優秀賞をいただいたのですが、それを今回の生チョコレートに落とし込みたいと考えました。大会では水出しコーヒーを使いましたが、今回の生チョコレートでは、カフェレートさんの「フルーティー」を使って、その香りを再現してみました。 ―水出しコーヒーや加工豆を使う形からカフェレートに変更した際、苦労された点はありましたか? そうですね、ケーキには水分が豊富に含まれるので、フルーティーな香りを表現するために、水出しコーヒーをそのまま混ぜ込むことが可能でした。 その点で、カフェレートという素材は非常に優れていて、でもしっかりとフルーティー気分にさせてくれるんです。...

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世界を魅了するパティシエ大塚陽介氏が語る、本質的な美味しさとカフェレートの可能性

世界を魅了するパティシエ大塚陽介氏が語る、本質的な美味しさとカフェレートの可能性

中永紗瑠

世界大会で二度の優勝経験を誇り、日本の洋菓子業界を牽引するパティシエ、大塚陽介氏。 辻口博啓シェフのもとで修業を積み、京都や箱根の名店で腕を振るった後、2023年に東京・三軒茶屋にジェラートショップ「YAYOI TOKYO(ヤヨイ東京)」をオープンしました。屋久島の天然水や厳選された素材を使用し、細部にまでこだわった美しいジェラートで訪れる人々を魅了しています。 そんな大塚氏が手掛けた、「カフェレート - 食べるコーヒー - 」とのコラボレーション。その背景にある想い、そしてカフェレートの新しい可能性についてお話を伺いました。 パティシエを志すきっかけは「人生を表現した一皿」との出会い ―パティシエを目指すきっかけについて教えていただけますか? きっかけは、辻口博啓シェフの作った『セラヴィ』というケーキとの出会いです。『セラヴィ』はフランス語で“人生”を意味するのですが、そのケーキを食べたときに、美味しいを超えた感動を覚えました。それまで、スイーツは美味しければそれで十分だと思っていました。でも、『セラヴィ』は、酸味や甘さといった味わいと、“酸いも甘いも経験する人生”というストーリーを重ね合わせて作られていたんです。そういう概念があるということに感動しました。 今ではストーリー性を持った料理やスイーツはガストロノミーの世界では一般的ですが、当時の私にとって、そういった考え方を身近な場所で体験できたのは非常に衝撃的でした。それが、パティシエを志す大きなきっかけとなりました。 日常に寄り添うスイーツを届けたい―「YAYOI TOKYO」立ち上げの想い ―「YAYOI TOKYO」を立ち上げたきっかけや経緯を教えてください。 これまで、商品開発やコンクールなどを通じて多くの経験を積んできました。その中で、次のフェーズに進むにあたり、どんな心情を持って取り組むべきかを改めて考えたんです。ただスイーツを販売するだけでなく、そこに“意義”を込めたいという思いが湧いてきました。 幸せというのは、何か特別なところにあるというよりも、普遍的な何気ない日常に寄り添ってあるものなんじゃないかなって思うんですよね。それで、特別なデザートではなく、日常に寄り添ったジェラートやアイスクリームに重点を置きたいと思い、『YAYOI TOKYO』を立ち上げました。また、そうした価値観を日本だけでなく、世界に広げていきたいという想いを込めて、屋号に“東京”を入れています。 ―お店ではさまざまなスイーツを提供されていますが、アルコールとのペアリングも特徴的です。メニュー考案において大切にされていることを教えていただけますか? アルコールとのペアリングを提供している背景には、渋谷のバー『石の華』のオーナーバーテンダー石垣忍さんとのコラボレーションがあります。私たちは“アルコールとスイーツのペアリング”をテーマにした『PLAYGROUND』というユニットを組んでいるのですが、石垣さんは「ペアリングは単に足りないものを補うのではなく、互いに高め合いながら新しいストーリーを生むものであるべき」という信条をお持ちです。その考え方を勉強させていただき、私自身も大切にしています。 ―では、カフェレートとの出会いについて教えてください。 先ほどお話ししたペアリングユニットでの作品の中で、サントリーさんのアルコールを使用したものがあります。その制作過程で、サントリーさんのものづくりへの信頼が、自分の中で芽生えてきました。そんな中、サントリーさんの社内ベンチャーで企画され、コーヒーの素材へのこだわりや高い技術力を踏襲したカフェレートという新しい素材に出会い、純粋に興味を惹かれたというのがきっかけです。 ―今回、カフェレートとのコラボ商品を2つ手掛けていただきましたが、コラボメニューの開発において、特に工夫された点を教えてください。 カフェレートという素材は、ドリップコーヒーでは引き出しきれない美味しさを持っています。これをどう活かすかがポイントでした。 コーヒーには多様なアロマがあります。たとえば、ナッツやキャラメルのような甘い香り、柑橘やベリーといったフルーティーな香り、さらには核果を思わせる芳醇な香りなど、幅広い香りが楽しめます。私自身コーヒーの専門家ではありませんが、このアロマの多面性を最大限に引き出して、召し上がる方にその豊かさを楽しんでもらえるようなプレゼンテーションを心掛けました。 「本質的な美味しさ」の追求 ―「YAYOI TOKYO」とカフェレートという素材の相性について、どのように感じられていますか? 『YAYOI...

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バーテンダー・高宮さんが描く未来、そしてカフェレートの可能性

バーテンダー・高宮さんが描く未来、そしてカフェレートの可能性

中永紗瑠

ジェラート作りやカクテル開発を通じて、バーテンダーという職業の新しい可能性を模索し続けている高宮さん。 2024年10月、カフェ&バー「æ 」(アッシュ)で実施したカフェレートとのコラボイベントでは、独自の視点で生み出したカクテルやジェラートを開発していただきました。 今回は、カフェ&バー「æ 」(アッシュ)のバーマネージャー滑川さんもゲストに迎えて、バーテンダーという仕事の可能性やカフェレートの魅力、おすすめのペアリングについてうかがいました。 ▼イベント当日の様子。手前から高宮さん、滑川さん。(高宮さん公式Instagramより) バーテンダーとしての挑戦と未来 ーまずは高宮さんの簡単なプロフィールと、普段のお仕事について教えてください。 高宮様:バーテンダーとしてのスタートは18歳のときでした。映画『カクテル』で描かれる世界に憧れ、「こんな仕事ができたら」と思ったのがきっかけです。それ以来、ずっとバーテンダーとしての道を歩んできました。25歳で独立し、自分のお店を9年間運営しましたが、バーテンダー業界が抱える課題を改善していきたいという思いが強まりました。特に、女性バーテンダーが結婚や育児を理由に仕事を離れざるを得ない現状を寂しく感じて…。その思いを形にする場として、2018年に「TIGRATO(ティグラート)」という名前でお店をスタートしました。 ーTIGRATOは、どのようなコンセプトのお店なのでしょうか? 高宮様:TIGRATOは、ジェラート、カクテル、そしてカフェバーを組み合わせた新しいスタイルのお店です。「バーテンダーの仕事の幅を広げること」と「女性バーテンダーが働きやすい環境を作ること」をコンセプトにしています。夜だけでなく早い時間帯からも営業することで、ライフスタイルに合った働き方を提供できるよう工夫しています。 ー現在は、バーテンダーとしてのお仕事以外にも力を入れているとお聞きしました。 高宮様:今はジェラート作りに加え、チームビルディングにも注力しています。以前は、カクテルを作って「美味しい」と言ってもらえるのが何よりの喜びでしたが、今は一緒に働くメンバーが新しいことを覚えたり、発想を広げたりする姿を見ることに大きな喜びを感じます。もちろん現場に出たい気持ちはありますが、今はスタッフたちが作り上げているものを見守りたいという気持ちです。そのため、現場のサポートや売上分析、提案、相談を通じてチーム全体の成長を促す役割がメインになっていますね。 ただ、作ることは大好きなので、メニュー開発やコーチング、外部でのカクテル制作にも力を入れています。最近では、自動車メーカーや居酒屋など、異業種からのレシピ開発の依頼も増えています。そこで築いた人脈や経験を、現場に還元していけたらと思っています。 ー自動車メーカーのような異業種からの依頼も来るんですね。 高宮様:そうですね。バーテンダーの仕事は、カクテルを作るだけではなく、「空気を読む力」が求められる職業だと思っています。お客様との距離感を的確に見極め、その場に最適な接客を提供することが何より大切です。 自動車メーカーの場合、高額な車を販売する商談の場を、心地よい空間にしたいというニーズがあります。たとえば、コーヒーを出すタイミングや、お子さんへのちょっとした気遣いが、場を和ませ、結果的に商談の成功を後押しすることもあります。そうした仕事ができるバーテンダーという仕事を誇りに思います。 ーそうした細やかな接客は、人間だからこそ成し得るものですね。 高宮様:間違いないですね。近年、AIやITの発展などによって店舗の人員が減ってきていますが、高額な買い物をする際には、やはり人との関わりを求めるお客様が多いです。そういう意味では、僕たちが培ってきた「空気を読む力」は、これからの時代においてさらに重要性を増すと思っています。 依頼内容がコーヒーやデザートの提供であったとしても、その背景にある空間作りが本質であり、お客様にとって最高の時間を提供することが、バーテンダーとしての最大の価値だと感じています。   カフェレートとのコラボレーション―素材を引き立てる「人」との出会い ーコーヒーカクテルを始められたきっかけについて教えていただけますか? 高宮様:もともとコーヒーは好きだったのですが、TIGRATOを開店してから本格的に勉強を始めました。滑川さんをはじめ、コーヒー業界の方々との出会いを通じて、多くのことを学ばせていただきました。ただ、僕自身はバリスタのような専門技術を持っているわけではありません。そこで、コーヒーの魅力をカクテルで引き出すことに力を注ぎました。ありがたいことに、ティグラートのコーヒーカクテルは多くの方に認知され、それを目当てに訪れてくださるようになったのは本当に嬉しいことです。 ー今回、カフェレートとのコラボが実現した背景には、どのような経緯があったのでしょうか? 滑川様:アッシュはこれまで、イベントでペアリングを積極的に行ってきたわけではなく、フォーカスしているのは「人」です。ゲストシフトにバーテンダーを招いて、その方の個性や得意分野を活かしながらコラボ素材を最大限に引き立てることを重視しているんです。今回は「カフェレートを活かせる人」と考えたときに、真っ先に浮かんだのが高宮さんでした。スイーツとドリンクの両方を手掛けられる希少なスキル、そして豊富な経験と技術が、このコラボレーションを形にする上で欠かせないと思いました。 高宮様:滑川さんとはコーヒーを通じて知り合いました。アッシュの姉妹店、The SG Clubにもよく足を運んでいたので、自然と親しくなったんです。飲食業界は狭いので、バーテンダーとバリスタの交流も多く、今回のコラボもそんな繋がりの延長線上で実現しました。ちなみに、最初のミーティングはサウナで行いました(笑)。 ーコラボメニューには、カクテル3種類とジェラート1種類の計4種類がありますが、メニューを考案する際、どのようなコンセプトを大切にされたのでしょうか?...

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コーヒー豆の選び方ガイド|あなたにぴったりのコーヒー豆の見つけ方

コーヒー豆の選び方ガイド|あなたにぴったりのコーヒー豆の見つけ方

中永紗瑠

一杯のコーヒーを味わう時、あなたが至福を感じるのはどの瞬間でしょう?香り高いアロマに包まれるひととき。一口含んだときに広がる豊かな風味。そして、時間を忘れてゆっくりと味わう贅沢な時間。コーヒーは、日常に彩りを添え、心を豊かにしてくれる特別な存在です。しかし、その至福のひとときをより楽しむためには、自分にぴったりのコーヒー豆を選ぶことが大切です。 本記事では、初心者から上級者まで、幅広い方に役立つコーヒー豆選びの知識をわかりやすく解説していきます。豆の種類や焙煎度、産地や生産方法、そして風味のバランスまで、さまざまな視点から解説していきます。コーヒーの世界をより深く楽しむための参考にしてください。 コーヒー豆を選ぶ前に知っておきたい基本知識 豆の種類、焙煎度、産地―これらはすべて、コーヒーの味わいを大きく左右する要素です。しかし、コーヒーの世界は実に奥深く、多様な魅力に満ちています。その豊かな世界を楽しむために、まずは基本的な知識を見ていきましょう。 コーヒー豆の種類と特徴 コーヒー豆は大きく分けて、アラビカ種、ロブスタ種、そしてリベリカ種の3種類があります。その中でも、世界中で最も生産量が多いのはアラビカ種。香り高く、風味豊かで、酸味と甘味のバランスが絶妙なのが特徴です。スペシャルティコーヒーの多くが、このアラビカ種から生まれ、それぞれの品種が個性を輝かせています。 一方で、ロブスタ種はその強い苦味と高いカフェイン含有量で知られています。ブレンドコーヒーに使われることが多く、その力強い味わいは、重厚な一杯を求める方におすすめです。 そしてリベリカ種。生産量は少なく、市場に出回ることはほとんどありませんが、その独特な風味は一部の愛好家に根強く支持されています。 焙煎度についての基礎知識 コーヒー豆は、焙煎されることで初めてあの芳醇な香りと奥深い味わいを手に入れます。焙煎度合いによって豆の色合いや風味は大きく変化し、浅煎り、中煎り、そして深煎りと、段階ごとに異なる個性を見せてくれます。 浅煎りの豆は、明るく爽やかな酸味とフルーティな香りを持ち、豆本来の個性をダイレクトに楽しむことができます。対照的に、深煎りの豆は力強い苦味と豊かなコクをまとい、濃厚な味わいが魅力です。 焙煎度は、コーヒーの風味を左右する重要な要素。だからこそ、自分の好みに合った焙煎度を見つけることが、美味しい一杯を淹れるための第一歩と言えるでしょう。 シングルオリジンとブレンドの違い コーヒー豆には、大きく分けて2つのスタイルがあります。単一の産地や農園の豆だけを使った「シングルオリジン」と、複数の産地・農園の豆を組み合わせた「ブレンド」です。 シングルオリジンの魅力は、その地域ならではの風味や個性を存分に楽しめること。飲むたびに、その土地の風土や文化が垣間見えるような、特別な体験ができます。 一方で、ブレンドは異なる豆の個性を巧みに組み合わせ、バランスのとれた味わいと複雑な風味を生み出します。それぞれの豆が絶妙に調和し、奥深い味を生むブレンドは、まさにコーヒー職人の技の結晶と言えるでしょう。 コーヒー豆の保存方法と鮮度管理 せっかく選び抜いたコーヒー豆も、保存方法を誤れば、その豊かな風味や香りはあっという間に失われてしまいます。コーヒー豆は空気、光、湿気、熱に敏感で、これらにさらされると、劣化のスピードが一気に加速してしまうのです。 保存する際には、酸化を防ぎ鮮度を保つために、密閉容器に入れて保管することが大切です。また、高温多湿な場所や直射日光が当たる場所は避け、涼しく乾燥した環境を選びましょう。さらに、一度開封した豆はなるべく早めに使い切ることが理想です。 コーヒーの風味やフレーバーで選ぶ コーヒーの味わいは、酸味、苦味、甘味、コクの微妙なバランスと、豊かな香りによって成り立っています。その奥深さを理解することは、自分にとって理想的な一杯を見つけるための重要なヒントになるでしょう。 酸味・苦味・甘味・コクのバランス コーヒーの味わいは、酸味、苦味、甘味、そしてコク。この4つの絶妙なバランスによって形作られています。 酸味は、新鮮なフルーツを思わせる爽やかさ。特に浅煎りのコーヒーでその特徴がよく現れます。たとえば、エチオピアやケニアの豆は、柑橘系やベリーのような明るい酸味を持ち、軽快な一杯を提供してくれるでしょう。 一方、苦味は焙煎が深まるにつれて強まり、コクと共に重厚な味わいをもたらします。チョコレートやナッツの風味が楽しめるブラジル産の豆や、インドネシアのマンデリンは、こうした深い味わいを好む方におすすめです。 そして、焙煎や豆の質によって引き出される自然な甘さは、キャラメルや蜂蜜のようなほのかな香りを感じさせ、口当たりを一層まろやかにします。 最後に、コク。コーヒーの奥行きを示すこの要素は、舌に残る心地よい余韻を生み出します。特にフレンチプレスやエスプレッソなどの抽出方法では、深いコクが引き出され、長い余韻が続くため、多くの愛好家に愛されています。 香りとフレーバープロファイルの違い コーヒーの味わいは、「アロマ(香り)」と「フレーバー」という異なる要素から成り立っています。アロマは、豆を挽いたときや抽出中に広がる香り。まさに、コーヒーの本来の魅力をダイレクトに感じる瞬間です。 一方で、フレーバーは、口に含んだときに広がる総合的な風味のこと。香り、酸味、苦味、甘味、コクが複雑に絡み合い、深みのある味わいが生まれます。フレーバープロファイルは、この風味を体系的に整理したもので、テイスティングや各コーヒーの特徴を理解する際の指標となります。「チョコレートのような風味」や「ナッツの香ばしさ」といった表現は、プロファイルの一例です。...

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アラビカ種とロブスタ種の違いとは?特徴や選び方を解説

アラビカ種とロブスタ種の違いとは?特徴や選び方を解説

中永紗瑠

コーヒーの世界は奥深く、さまざまな要素が組み合わさって、多彩な風味と香りを生み出します。中でも、豆の品種はコーヒーの個性を形作る重要な要素の一つです。 本記事では、コーヒーの主要な2つの品種、アラビカ種とロブスタ種に焦点を当て、それぞれの特徴や選び方を詳しく解説します。「違いがよくわからない」、「自分に合ったコーヒー豆を知りたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。 コーヒー豆のアラビカ種とロブスタ種の基本情報 コーヒーの風味や香りは、実に多彩です。中でも、アラビカ種とロブスタ種は世界で最も多く生産されている2大品種。それぞれにどのような魅力が隠されているのでしょうか。まずは、アラビカ種とロブスタ種のルーツや特性を紐解いていきましょう。 アラビカ種の特徴と主要な生産地 アラビカ種は、世界中で生産されるコーヒー豆の約60~70%を占める、まさにコーヒー界の王者と呼ぶにふさわしい存在です。その起源は、遥かエチオピアの高地にあります。この高貴な出自を持つアラビカ種は、繊細な気候を好み、標高の高い地域で育てられます。栽培には手間がかかり、決して容易ではありません。しかし、その繊細さこそが、複雑で奥深い風味と芳醇な香りを生む理由です。 産地や精製方法によって、アラビカ種はまるで異なる表情を見せ、その一杯ごとに新たな発見をもたらしてくれます。主な生産地としては、ブラジル、コロンビア、エチオピア、グアテマラなど、コーヒーの名産地として名高い国々が挙げられます。 ロブスタ種の特徴と主な生産地 ロブスタ種は、その名の通り力強い生命力を持ち、暑さや病気に対する耐性が高いことで知られています。この特性のおかげで、アラビカ種とは異なり低地での栽培が可能で、生産コストを抑えることができます。ロブスタ豆の味わいは、アラビカ豆の繊細で酸味のある風味とは異なり、力強い苦味と厚みのあるボディが特徴です。 生産地としては、ベトナムが世界最大のロブスタ生産国として知られています。さらに、インドネシアやインドも主要な生産国であり、高温多湿の気候を利用して質の高いロブスタ種を育てています。また、アフリカの広範な地域でも生産が盛んです。 アラビカ種とロブスタ種の味わい・香りの違い コーヒー豆選びで最も重要なのは、やはり「味」と「香り」。アラビカ種とロブスタ種は、その点で全く異なる個性を持っています。それぞれの豆が持つ特有のフレーバーやアロマ、そしてカフェイン含有量の違いについて、深く掘り下げて見ていきましょう。 アラビカ種の味わいと香りの特徴 アラビカ種のコーヒーは、その多彩なフレーバーと奥深い香りによって、世界中のコーヒー愛好家たちから高く評価されています。フルーティーな酸味、フローラルな香り、ナッツのような香ばしさ、そしてチョコレートを思わせる濃厚なコク——これらの風味は、産地や精製方法によって異なる個性を見せてくれます。 浅煎りの段階では、特に柑橘系やベリーを思わせる爽やかな酸味が際立ち、繊細なフローラルノートが鼻腔をかすめます。中煎りに進むと、キャラメルやナッツのような甘さが現れ、まろやかさと調和の取れた味わいをもたらします。そして、深煎りになると、ダークチョコレートのようなビターなコクとスモーキーな香りが加わり、奥行きのある複雑な風味が広がります。 こうして、アラビカ種は、まるで上質なワインのようにその風味と香りの幅広さで人々を魅了し、新たな発見をもたらしてくれます。繊細で複雑なアロマがふっと立ち上り、五感を刺激するその体験。これこそが、コーヒーの真髄と言えるでしょう。 ロブスタ種の苦味と独特な香りの特徴 ロブスタ種は、その力強い苦味と個性的な香りが特徴です。アラビカ種のような華やかさや複雑な風味はないものの、ワイルドでパンチの効いた味わいが、独自の存在感を放っています。ロブスタ種の香りは、しばしば「土のような」と表現され、この個性的な香りがロブスタ種の特徴を際立たせています。 特に、ロブスタ種はその高いカフェイン含有量が生み出す強い苦味が特徴で、深煎りにすることでその苦味がさらに際立ち、濃厚で力強い味わいが生まれます。この風味は、ミルクや砂糖との相性が良く、カフェラテやカプチーノなどのエスプレッソベースのドリンクに加えることで深みと重厚感を与えてくれます。飲む人にインパクトのある味わいを提供するロブスタは、確かな存在感を持つコーヒー種と言えるでしょう。 カフェイン含有量の違い アラビカ種とロブスタ種の違いにおいて、特に注目すべきはカフェインの含有量でしょう。一般的に、ロブスタ種はアラビカ種の約2倍のカフェインを含んでおり、その高いカフェイン含有量が豆特有の力強い苦味や高い耐病性を支えています。カフェインは苦味を引き立てる成分の一つ。ロブスタ種の力強さには、このカフェインの多さが深く関与しています。 一方で、アラビカ種はカフェイン含有量が控えめです。そのため、まろやかでバランスの取れた味わいが楽しめます。カフェインの刺激が少ない分、甘みや酸味が際立ち、繊細な香りが楽しめるのです。刺激を控えつつも豊かな風味を楽しみたい——そんなコーヒー愛好者にとって、アラビカ種が好まれる理由の一つでもあります。 栽培環境と成分の違い アラビカ種とロブスタ種は、生育環境や成分にどのような違いがあるのでしょうか?それぞれの栽培環境や、品種改良の歴史を紐解くことで、コーヒーへの理解がさらに深まるはずです。それでは、栽培環境と成分の違いについて探っていきましょう。 成長に必要な気候や標高の違い アラビカ種は、標高1,200メートル以上の高地で栽培されることが多く、特に冷涼な気候を好みます。エチオピア、コロンビア、ケニアなど、赤道に近い高地が代表的な生産地です。これらの地域では昼夜の寒暖差が大きく、コーヒーチェリーは時間をかけてゆっくりと成熟していきます。こうした成熟の遅さが、酸味と甘味が見事に調和した複雑なフレーバープロファイルをもたらし、豊かな味わいを引き立てるのです。 一方で、ロブスタ種は低地や平地での栽培に適し、ベトナム、インドネシア、ウガンダといった熱帯地方で広く栽培されています。高温多湿な環境と強い日差しの中で力強く成長し、耐病性に優れていることから、栽培は比較的容易です。このような環境下では成長が早く、風味が単調になりがちですが、高いカフェイン含量もあいまって、ロブスタ種の持ち味である強い苦味や土っぽさ、木質的な風味がはっきりと表れます。 栄養価や糖度の違い アラビカ種とロブスタ種は、その栄養価や含まれる成分にもはっきりとした違いがあります。アラビカ豆は糖度が高く、脂質も豊富に含んでいるため、風味は甘く、口当たりはなめらか。これらの成分が複雑で芳醇なアロマを生み出し、香り立ちにも優れています。特にアラビカ種の高い糖度は、焙煎時にカラメル化を促し、チョコレートやキャラメルのような甘いニュアンスを引き出します。 一方、ロブスタ種は糖度が低く、脂質も比較的少ないため、風味に深みが生まれにくい傾向があります。しかし、クロロゲン酸を多く含んでいるため、その強い苦味と抗酸化性の高さが際立ちます。また、カフェイン含有量も高いことから、全体的に苦味が強い味わいを持ち、エスプレッソやブレンドコーヒーにおいてしっかりとした苦味やコクを加える役割を果たします。...

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コーヒーを愛する理学療法士・高津さんに聞く、「日常を豊かにするコーヒー」

コーヒーを愛する理学療法士・高津さんに聞く、「日常を豊かにするコーヒー」

中永紗瑠

理学療法士として働きながら、コーヒーの魅力を発信するインフルエンサーとしても活躍中の高津(こうづ)さん。 10年前に趣味として始めたコーヒーライフは、今や自分らしさを表現する大切なライフスタイルに。 「コーヒーで生活が豊かになる」という高津さんに、愛用の器具や豆選びのこだわり、そして新感覚の「カフェレート」の楽しみ方について伺いました。 理学療法士としての日常、そしてコーヒーとの出会い ー高津さんのプロフィールを教えていただけますか? コーヒーを愛しすぎる理学療法士として、インスタグラムを中心に「コーヒーのある暮らし」を発信しています。日々の仕事は理学療法士として患者さんの生活をサポートすることですが、コーヒーを通じて自分らしい生活を皆さんに提案する活動もしています。 ー理学療法士というのは、どのようなお仕事なのでしょうか? 簡単に言うと「リハビリ」と呼ばれるものですが、理学療法士が行うのは専門性の高い分野です。歩く、立つといった動作を改善するだけでなく、身体の状態によっては、日常生活を豊かにするための環境や道具の提案など、生活全体を支える仕事をしています。 ーそんな高津さんがコーヒーに出会ったきっかけは何ですか? 実は、最初はただの思いつきなんです。働き始めて、仕事ばかりの生活が「これでいいのかな…?」と思うようになりました。何か趣味を見つけたいと思い、たまたま百貨店でコーヒー豆を見つけたんです。「豆をガリガリ挽くのってかっこいいな」って、それだけの理由でスタートしました(笑)。 何の器具も持っていないのに、「豆のままでください」と言ってしまって(笑)。その足で雑貨屋に行き、必要であろうと思う器具を買って帰りました。それが10年くらい前ですね。 「日常を豊かに」という想いで始めたSNS発信 ーインスタグラムでの発信では、さまざまなコーヒー器具を使って抽出されている姿が印象的です。器具は普段から試されることが多いですか? はい、気になった器具は自分で購入して試しますし、提供いただいて知ることも多いです。いろいろな器具を組み合わせたり、その可能性を探る過程がとても楽しいんです。それぞれの特性を生かして、日々コーヒーを楽しんでいます。 ▼高津さんのInstagramより。 ー器具の話が出ましたが、特にお気に入りの器具や、それに合わせた豆選びのこだわりはありますか? お気に入りというより、その日の気分で選ぶことが多いですね。「どの器具が一番良いですか?」と聞かれることもありますが、正直、どれでも美味しく淹れられると思っています。形や材質といった違いはありますが、今の器具はどれも完成度が高いです。注ぎ方や温度を少し変えるといった工夫をすれば、どの器具でも好みの味は表現できると思います。 ーSNSでの発信は長く続けていらっしゃいますが、始めたきっかけは何でしたか? 実は、元々SNSにはあまり良い印象を持っていなくて、数年前までほとんど使っていませんでした。でも、コロナの影響で人々の生活から「生きる楽しみ」が失われているように感じて…。そんな中、私自身がストレスの解消や頑張ろうと思える原動力となっているコーヒーの楽しみ方をSNSで発信することによって、少しでも元気を届けたいと思ったのが始まりです。 ーご自身でラテアートなどもされていましたが、その技術はどのように学ばれたんですか? ラテアートは完全に独学で、何度も繰り返し練習しました(笑)。一度失敗したら、どこが悪かったのかを分析して、次はそこを修正するという作業をずっと続けました。今では、自分なりのスタイルで楽しんでいます。 ▼高津さんのInstagramより。 ーSNSで投稿されている写真や動画も素晴らしいですが、これもご自身で撮影されているんですか? はい、全部自分で撮っています。ただ、カメラについては全然詳しくないんですよ(笑)。主にiPhoneで撮影していますし、買ったカメラもなんとなく選んだものを使っています。でも、コーヒーを撮るときは「この瞬間を見てほしい」というイメージが頭の中に明確に浮かぶので、その感覚を表現するために試行錯誤しながら設定をいじっています。皆さんの反応がフィードバックになっていますね。 コーヒーのプロフェッショナルが語る、「カフェレート」の魅力 ーコーヒー関連のお仕事もされているとのことですが、どのようなお仕事をされているのでしょうか? コーヒー器具の紹介や、ポップアップイベントに呼んでいただくことが多いですね。特に、器具を開発されている企業さんとのお仕事が中心です。実際に使ってみて感じたことを発信したり、イベントでお客様に直接紹介したりしています。 ー好きなコーヒー豆や淹れ方はありますか? 最近はコロンビアやパナマの豆が好きですね。パナマといえば「ゲイシャ種」という豆が高い評価を受けていて有名ですが、それ以外の豆もすごく美味しいものがたくさんあります。それぞれの国の豆には個性があるので、どれが特に好き、というより、その日の気分で選んで楽しむことが多いですね。 ー日本と海外では、コーヒー文化の違いは感じますか?...

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コーヒーソムリエKazuに聞いた!カフェレートの魅力とおすすめペアリング

コーヒーソムリエKazuに聞いた!カフェレートの魅力とおすすめペアリング

hayasakayu

年間200種類・1,000杯以上のコーヒーを飲む、コーヒーソムリエKazuさん。 コーヒーをより身近に感じてほしいとの思いから、Yahooニュースエキスパートをはじめ多くのメディアで、コーヒーの魅力を積極的に発信しています。 カフェレートについても、こちらの記事でレポートしていただきました! 「フードペアリングも大切にしている」と話すKazuさんに、カフェレートのおすすめのペアリングや楽しみ方を伺いました。 コーヒー好きと販売者をつなぐ架け橋に ーYahooニュースエキスパートでコーヒーの魅力を発信されていますが、どのような思いで記事を執筆するようになったのでしょうか。 コーヒーを販売する方と飲む方をつなぐ架け橋になり、コーヒーという飲み物のハードルを下げたいという思いで記事を書いています。いろいろな方にお話を聞いていると、「お店に行っても、名前を見ただけではどんなコーヒーかわからない」という声をよく耳にします。私の読者層は女性が多いのですが、「自家焙煎珈琲のお店は分かりづらくて入りにくい」という声が多いです。 せっかくコーヒーに興味を持っても、なんとく市販のコーヒーを買ったり、チェーン店ではわからないままコーヒーをオーダーする人も少なくありません。しかし、日本のコーヒー店は、高品質な、スペシャルティコーヒー専門店が増えてきており、それぞれ個性を打ち出しています。ただ、”スペシャルティコーヒー”というものがどのようなコーヒーなのかを知っている人はまだまだ少なく感じます。だからこそ、コーヒーをより身近に感じてもらえるように、記事を書く際は、できるだけ専門用語の使用は避け、ハードルを下げることを心がけています。「壁が少しでもなくなればいいな」と思って記事を書いています。 一方、専門性の高い記事を執筆するにあたっては現地で生の声を聞くことが重要だと考えており、私は自主的に取材に赴いています。 また、私が大事にしているフードペアリングについても、プロの方に話を伺わなければ説得力のある記事は書けないと考えています。そのため、プロの方にお話を聞き、自分なりのオリジナルのフードペアリングも考えながら記事にしています。 食べるコーヒー「カフェレート」の魅力 ーカフェレートはコーヒーを丸ごと粉砕して素材にすることで、飲むコーヒー以上に香りや味わいを楽しめるのがコンセプトになっています。実際に食べてみて、飲むコーヒーと比べた際の香りや味わいの違いは感じられましたか? 飲むコーヒーにはない香りや旨みがありました。チョコレートのようなほろ苦さがあり、香りはダイレクトに感じられます。 コーヒーで例えるなら、フレンチプレスで淹れた時のような感覚に近いです。フレンチプレスはペーパーレスのため、コーヒー豆の個性がダイレクトに感じられて、コーヒーの油分なども一緒に飲むことができるんです。 食べるコーヒーは豆の個性をダイレクトに感じられるので、生産国ごとのコーヒーの味を知りたい場合は、食べるコーヒーで試してみると違いがよりわかりやすく感じられると思います。 ーどのような豆が合いそうですか?また、この豆で作られた食べるコーヒーがあれば、試してみたいと思われるものはありますか? チョコレートのような甘みが特徴のブラジルショコラは、間違いなく合うと思います。さらに、焙煎度合いで味が大きく変わるグアテマラも面白いかもしれません。 ーコロンビアのナッティなものやシトラス系の香りがするようなものと合わせて、酸味も感じていただきながら、よりフルーティに召し上がっていただくなど、カフェレートも将来的にバリエーションを検討していきたいです。 コーヒーは味わいの好みについては、例えば、ナッティな深煎り、スパイシーなインドネシアの深煎り、フルーティな浅煎りと、大きく3種類に分かれると思います。 中米の中でもコスタリカはナッツのような香ばしい味わいのものが多いです。また、コスタリカでは、法律でアラビカ種しか栽培できないと定められており、スペシャルティコーヒーの中でも品質は高いと思います。最近ではエルサルバドルの「パカマラ種」やコロンビア・エクアドルで生産が確認されている「シドラ種」など、珍しい品種も登場しており、品種でアピールするのも面白いかもしれません。 個人的には、精製方法で「カフェレート」の魅力を打ち出すのも1つかなと思います。で例えば、インドネシアには「スマトラ式」やコスタリカの「ハニープロセス」など、個性的な精製方法を用いたコーヒー豆で「食べるコーヒー」の個性を出すのも良いのではないでしょうか。 ー素材としてのカフェレートを考えたときに、どのようなシーンで楽しめると思いますか。 一口サイズで食べやすく、個包装になっているのでシェアもしやすいと思います。例えば、職場の休憩時間や家事の合間に主婦の方がコーヒータイムを楽しむなども良いかと思います。また、ホテルのラウンジや新幹線・バスでの移動中など、様々なシーンで活躍すると思います。 ーコーヒーを淹れられない場所でも、気軽にコーヒーを楽しんでいただけたら、私たちとしてもうれしいです。 保冷バッグなどに入れて、キャンプに持っていくのもよさそうですね。 私は自宅でペアリングをためしてみます。 カフェレートに合うコーヒーは? ーフードペアリングを大事にされているとのお話もありましたが、カフェレートにはどのようなコーヒーが合うと思われますか。 例えば、ニカラグアはナッツ感があるので、ブラジルのコーヒーと合わせるといいと思います。今回は少し特殊で、食べ物のコーヒーと飲み物のコーヒーを合わせるので、難しい面もあるかもしれないですが、カフェインが気になる人は、カフェインレスのブラジルと合わせるのも良いと思います。  ...

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ニカラグアコーヒー 王道のコクと甘みをカフェレートで食べて味わう!

ニカラグアコーヒー 王道のコクと甘みをカフェレートで食べて味わう!

中永紗瑠

ニカラグアの肥沃な大地が育むコーヒーは、豊かな風味とバランスの取れた味わいで、コーヒー愛好者を魅了しています。 本記事では、ニカラグアコーヒーの特徴やその多様な品種、さらにコーヒーを「食べる」という新しいスタイルを紹介します。   ニカラグア コーヒー生産国としての情報 ニカラグアは、豊かな自然環境に恵まれた中央アメリカの一国で、特にコーヒー生産が盛んです。標高の高い山岳地帯、肥沃な火山性土壌、そして安定した気候条件によって、質の高いコーヒー豆が栽培されています。19世紀半ばから始まったコーヒー栽培は、現在に至るまで同国の経済基盤の一つとして成長してきました。また、ニカラグアは主にアラビカ種のコーヒーを栽培しており、その多くがスペシャルティコーヒー市場向けに出荷されています。特にマタガルパやヒノテガ、ヌエバ・セゴビアといった地域では世界的にも評価される高品質な豆が生産されています。   ニカラグアコーヒーの品種 ニカラグアで栽培されているコーヒーの主な品種はアラビカ種です。このアラビカ種にはさまざまな種類があり、その中でも特に注目されているのが、カトゥーラ、カトゥアイ、ブルボンといった品種です。これらの品種は、標高の高い地域で育つことで、バランスの取れた酸味とコクを持つ、複雑で深みのある風味を生み出すのが特徴です。 カトゥーラ:ブラジルで発見されたアラビカ種の突然変異で、樹高が低く病害抵抗性があり、比較的収穫量が多いという特徴を持ちます。 カトゥアイ:カトゥーラとムンドノーボを交配して生まれた品種で、甘みと滑らかさが際立つ風味が人気です。 ブルボン:芳醇な香りと豊かなボディが特徴で、特に深煎りに適していることで知られています。 これらの品種が持つ個性的な風味が、ニカラグアコーヒーの多様性を形作っており、それぞれが違った魅力を提供しています。   ニカラグアで採れるコーヒーの特徴 ニカラグアのコーヒーは、その風味のバランスが非常に魅力的です。高地の山岳地帯と火山性の土壌で育まれたコーヒー豆は、澄んだ酸味と豊かなコク、そしてミネラル感を持ち合わせており、これらが絶妙に調和した複雑な味わいを楽しめます。特に、ジャバニカ種やパカマラ種などの品種は、クリーミーな口当たりに加え、ナッツやチョコレート、時にはスパイスのようなユニークな風味が感じられるのが特徴です。 焙煎の度合いによっても風味が変わり、特に深煎りでは、コーヒー本来のリッチなコクとほのかな苦味が際立ち、より複雑な味の層を楽しむことができます。   ニカラグアコーヒー使用 カフェレート「ローステッド」の味わい カフェレート「ローステッド」は、ニカラグア産コーヒー豆の魅力を凝縮した商品です。焙煎されたコーヒー豆を微細に粉砕し、植物性の油脂に練り込むことで、豆の豊かなアロマと風味を余すことなく楽しむことができます。チョコレートのように滑らかな舌触りが、コーヒーの苦みやコクと絶妙に調和します。特に、「ローステッド」は、ニカラグアのコーヒー豆が持つフルボディな特性と、後味に残るほのかな甘みが、長い余韻として口の中に残るのが特徴で、飲むコーヒーでは感じられない新しい感覚が味わえるでしょう。 食べることで、コーヒーの本質をより深く理解できる一品です。   まとめ ニカラグア産のコーヒーは、豊かなコクとバランスの取れた酸味、そしてフルーティーな風味で、世界中のコーヒー愛好者に愛されています。その深い味わいは、飲むだけでなく、カフェレートとして「食べる」ことでも楽しむことができるようになりました。ニカラグアの肥沃な大地で育まれた高品質なコーヒー豆を、異なる形で味わうことで、コーヒーの新たな魅力を発見できます。カフェレートを通じて、コーヒーを飲むだけでなく「食べる」という新しい体験を、ぜひ一度お試しください。

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コーヒーの香りにはどんな効果がある?くつろぎタイムをもっと特別に

コーヒーの香りにはどんな効果がある?くつろぎタイムをもっと特別に

中永紗瑠

カフェの前を通り過ぎたとき、ふとコーヒーの香りに癒される瞬間を感じたことがある方も多いのではないでしょうか。実は、コーヒーの香りにはさまざまな効果があると言われています。本記事では、コーヒーの香りがもたらす効果や、その香りを生み出す成分、さらには産地ごとの特徴について詳しく探っていきます。   コーヒーの香りの正体は? 一杯のコーヒーが放つ香りは、私たちの感情や記憶、そして脳の働きにまで影響を与える特別な存在です。焙煎や抽出の過程で生まれる香りには、数百種類以上の揮発性化合物が関与しており、それぞれが独自の風味や特徴をもたらします。香りを嗅ぐだけでリラックスできたり、集中力を高めるという不思議な力を持つコーヒーの「香りの正体」を探ってみましょう。   コーヒーの香りの主成分 コーヒーの香りには、800種類以上の「揮発性有機化合物」が影響しています。中でも、ピラジンやフラン類といった成分は、ナッツやキャラメルのような風味を引き出し、コーヒー特有の香ばしさを際立たせる重要な役割を果たしています。一方で、ケトンやアルデヒドなどの成分は、果物や花を思わせるフルーティーでフローラルな香りを生み出し、特に浅煎りのコーヒー豆でその特徴が強調されます。こうした成分が絶妙に組み合わさることで、芳醇なコーヒーの香りが生まれ、焙煎の度合いや豆の産地、さらには抽出方法によっても香りの違いを楽しむことができるのです。   コーヒーの4つの香り コーヒーの香りは、豆の産地や種類、加工方法、さらには抽出方法によってさまざまに変化します。生豆の状態から焙煎された後、そして抽出されたコーヒーまで、それぞれの段階で異なる香りが楽しめるのも、コーヒーの大きな魅力の一つです。また、「食べるコーヒー」は、飲むコーヒーとは一味違ったユニークな体験を提供してくれます。 生豆の香り コーヒーの生豆は、まだ焙煎されていない状態であり、その香りは非常に控えめで、一般的なコーヒーの香りとは異なります。生豆の香りを表現するならば、草や青々とした植物の香りに近いと言えるでしょう。この段階では、コーヒーの風味に大きく影響する成分である揮発性有機化合物がまだ形成されておらず、あくまで原材料としての素朴な香りが感じられるのみです。   焙煎後の豆の香り 焙煎が進むにつれて、コーヒー豆は徐々にその香りのポテンシャルを解放し始めます。焙煎過程では、メイラード反応やキャラメル化といった化学反応が進み、豆の中の糖とアミノ酸が反応し、芳ばしいナッツやチョコレート、キャラメルのような香りが生まれます。焙煎度によって香りの特性も変わり、浅煎りではフローラルでフルーティーな香り、深煎りではスモーキーでビターな香りが強調されます。焙煎が進むことで、香りの変化が楽しめ、一杯のコーヒーに対する期待が高まります。   淹れたてのコーヒーの香り コーヒーの香りが最も強く、私たちを魅了するのは、やはり淹れたての瞬間です。お湯と共にコーヒーの成分が抽出され、ふんわりと漂う香りが周囲に広がります。この段階では、果実のような酸味の香りから、バターやキャラメル、時にはスパイスのような複雑な香りが織り交ぜられ、五感すべてがコーヒーの世界に包まれるでしょう。   カフェレートが提供する香り(コーヒーオイル) カフェレートは、これまでの飲むコーヒーとは違った、新しい形で香りが楽しめます。カフェレートは、焙煎した豆を微粉砕し、植物性の油脂を練り込むことで、余すことなくコーヒーオイルを閉じ込めているのです。特に、「余韻」について「飲む」コーヒーとの違いを比べてみてください。アロマオイルのような豊かな余韻を生み出す成分は、「飲む」コーヒーではその多くがドリップ粕の中に残り捨てられてしまいます。「食べるコーヒー」では、豆の全てを味わい尽くすため、コーヒーを新たな次元で楽しむ体験ができるでしょう。 コーヒーの香りの効果 コーヒーの香りは、単に楽しむだけのものではなく、心身にさまざまな効果をもたらすことがわかっています。その香りに含まれる成分は、リラックス効果やストレスの軽減といった恩恵をもたらします。具体的な効果について、詳しく見ていきましょう。   リラックス効果 コーヒーの香りは、脳内のリラックス反応を促進すると考えられています。研究では、コーヒーの香りを嗅ぐとα波が増加し、リラックス状態に入ることが確認されています。深煎りのコーヒー豆は、木やナッツのようなノートを感じさせ、これが日常の喧騒からの解放感を与えてくれるでしょう。   抗ストレス効果 忙しい日常の中で、ストレスを上手に管理することはとても大切です。コーヒーの香りにはストレスを軽減する効果が期待できるという研究結果も報告されています。水とコーヒーの香りを嗅いだ際の唾液を採取し、ストレスに関係する物質を測定した結果、コーヒーの香りを嗅いだ人のほうが、ストレスを示す物質の値が低いことが確認されたのです。少しの休憩時にコーヒーの香りを楽しむことで、日々のストレスや不安が和らぎ、心の安定をサポートしてくれるかもしれません。  ...

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華やかな酸味が特徴的なエチオピアコーヒー カフェレートで「食べる」味わいについて

華やかな酸味が特徴的なエチオピアコーヒー カフェレートで「食べる」味わいについて

中永紗瑠

エチオピアコーヒーは、豊かな歴史と独自の風味で世界中のコーヒー愛好家に愛されています。エチオピアはアラビカコーヒーの発祥地であり、高地の気候や肥沃な土壌が生み出す華やかな香り酸味が特徴です。本記事では、エチオピアコーヒーの魅力や「食べる」という新しいスタイルで楽しむ方法を紹介します。   エチオピアコーヒー 生産国としての情報 エチオピアは、その品質と歴史的背景から、世界有数のコーヒー生産国として広く知られています。東アフリカに位置するこの国は、標高が高く、特にコーヒーの栽培地では涼しい気候が特徴です。エチオピア高原の高地は、豊富な降雨量と肥沃な土壌にも恵まれており、これがコーヒー栽培に最適な条件を整えています。また、エチオピアはコーヒーの木の原産地であり、野生のコーヒーの木が自生している数少ない国です。 エチオピアのコーヒー生産は、多くの小規模農家によって支えられており、地域ごとに異なる風味や特徴を持つコーヒー豆が栽培されています。たとえば、イルガチャフィやシダモといった地域は、特に高品質なコーヒーで世界的に評価されています。イルガチャフィのコーヒーは、柑橘やベリー系のフルーツを思わせる華やかな香りが特徴です。一方、シダモのコーヒーは、滑らかなボディと豊かな果実味で知られています。   アラビカコーヒー発祥の地 エチオピアは、アラビカコーヒーの発祥の地として世界的に有名です。伝説によれば、羊飼いの少年カルディが、ヤギたちが赤いコーヒーの実を食べた後に活発になったのを見て、コーヒーの実の効果を発見したとされています。 エチオピア産のアラビカ種のコーヒー豆は、地域や栽培条件によって異なる風味を持ちますが、一般的には柑橘系やベリー系、花のような香りが特徴です。エチオピアでは、多様な地理的条件と異なる精製方法(ナチュラルとウォッシュド)により、地域ごとに異なるテロワールが生まれ、これが世界中のコーヒー愛好家から高く評価されている理由の一つです。特に標高が高いエリアで栽培されるコーヒー豆は、成長が遅くなるため、風味が凝縮され、明るい酸味とフローラルな香りが一層強調されます。   エチオピアコーヒー 精選方法の違いについて エチオピアでは、コーヒーの精選方法として「ウォッシュド(水洗式)」と「ナチュラル(自然乾燥式)」の2つの技術が一般的に使われており、それぞれがコーヒーの味わいに独特の影響を与えます。精選方法によって、コーヒー豆の風味が大きく変わるため、どの方法が使用されるかは、そのコーヒーの個性を決定する重要な要素となります。   ウォッシュド ウォッシュド精選では、水を使用してコーヒーチェリーの果肉を取り除き、発酵タンクで発酵させることで豆に残ったミューシレージを分解し、その後洗浄してから乾燥させます。この方法は、クリーンで明るい酸味を引き出すことができるため、エチオピアの豆のフローラルな香りや、芳醇なフルーツのような風味を際立たせるのに最適です。   ナチュラル ナチュラル精選は、コーヒーチェリーを果肉ごと乾燥させる方法で、ウォッシュド精選とは異なるアプローチです。この方法では、果肉が乾燥する過程で豆に接触しているため、フルーツのような甘みやフルボディな風味が引き出されます。ナチュラル精選のコーヒーは、特にベリー系のフルーツやダークチョコレートのような濃厚なコクのほか、発酵過程によるワイルドな風味やフルーティーな甘さが特徴で、コーヒーの奥深さと甘みが感じられる一杯に仕上がります。 エチオピアの一部の乾燥した地域は、ナチュラル精選に最適な環境であり、この伝統的な技術が現地で広く採用されています。   エチオピアのコーヒーセレモニー「カリオモン」 エチオピアのコーヒーセレモニー「カリオモン」は、エチオピアの文化とコーヒーが深く結びついていることを象徴する伝統的な儀式です。このセレモニーは、日本の茶道のように、家族や友人をもてなす際に行われる習慣として親しまれています。セレモニーは、生豆を焙煎し、その香りを楽しむところから始まり、ゆっくりと時間をかけて3杯のコーヒーが提供されます。 3杯のコーヒーは、それぞれ「アボル」(1杯目)、「トナ」(2杯目)、「バラカ」(3杯目)と呼ばれ、回を追うごとに濃度が薄くなり、異なる風味を楽しむことができます。カリオモンは、社会的な交流や家族の絆を深める大切な機会であり、エチオピアの人々がコーヒーをどれほど日常生活の一部として大切にしているかを示す儀式といえるでしょう。   カフェレート「フルーティ」でエチオピアイルガチャフィG1をまるごと食べて楽しもう   エチオピア産のイルガチャフィコーヒーは、世界中のコーヒー愛好家に高く評価されており、その特徴的なフルーティーな香りと繊細な酸味は他に類を見ないものです。カフェレートの「フルーティ」は、このイルガチャフィコーヒーの豊かな風味を新しい形で楽しめます。通常の抽出方法では味わえない、豆そのものの甘さや酸味、複雑な香りがまるごと体験できるため、まさにイルガチャフィの風味を余すことなく味わえるのが魅力です。口に広がるフルーティーな香りや、心地よい甘さ、そして余韻として現れてくるまるでイチゴのような香りが絶妙に絡み合い、コーヒーの奥深さをより立体的に楽しめるでしょう。  ...

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コーヒーでリラックス!おすすめのコーヒー豆も紹介

コーヒーでリラックス!おすすめのコーヒー豆も紹介

中永紗瑠

コーヒーには、心身のリラックスや集中力の向上といった健康的な効果があるとされています。忙しい毎日やストレスの中で、ちょっとした気分転換にコーヒータイムを取り入れてみるのはいかがでしょうか。本記事では、コーヒーのリラックス効果を引き出すためのコツや、おすすめのコーヒー豆、そしてコーヒーを「食べる」という体験を紹介します。   コーヒーがもたらすリラックス効果とは コーヒーには、飲み物としての味わいだけでなく、香りを楽しんだり、リラックスしたりといった癒しの効果もあります。仕事や勉強の合間にコーヒータイムを挟むことで、心や体がリフレッシュされ、次の作業に集中しやすくなるのです。それでは、こうした効果がどのようなメカニズムによって生まれるのか、見ていきましょう。   香りによるストレス軽減と心の落ち着き コーヒーの豊かな香りは、嗅覚を通じて脳に作用し、リラックス効果を引き出します。杏林大学の古賀良彦教授の研究によると、コーヒーの香りを嗅ぐことでリラックス状態を表すα波が増加することが明らかにされています。 また、コーヒーの香りには、甘さやナッツ、花のような複雑で重層的なアロマが含まれており、これが感覚的な心地よさをもたらします。実際に、忙しい日常の中でコーヒーの香りに包まれると、心が自然にほぐれ、緊張が解ける経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。   カフェインがもたらす集中力アップと疲労軽減 コーヒーに含まれるカフェインは、適量を摂取することで、疲労感を軽減し、集中力を高める効果があります。カフェインは脳内のアデノシン受容体に結合し、疲労感を抑えて覚醒状態を維持します。その結果、頭がすっきりして、作業や学習への集中力が向上するのです。適切な摂取量を守ることで覚醒効果は長時間持続し、過度な緊張を感じることなく、安定したパフォーマンスを発揮できるでしょう。 リラックスにおすすめのコーヒー豆と産地 コーヒーの風味は、産地や品種、そして栽培方法によって大きく変わります。また、味や香りの好みは人それぞれ異なりますが、リラックス効果を期待するのであれば、グアテマラ産とブルーマウンテンが優れていると言われています。これは、古賀良彦教授の研究によるもので、これらのコーヒーの香りを嗅いだ人に、多くのα波が発生したことが確認されたためです。ここでは、リラックス効果を高めるおすすめのコーヒー豆とその産地についてご紹介します。   グアテマラ産コーヒー グアテマラは、高地特有の気候と肥沃な火山性土壌に恵まれ、複雑で奥深い風味を持つコーヒー豆の生産地として知られています。特にアンティグアやウエウエテナンゴといった地域で収穫されるコーヒーは、酸味と甘味、そしてほのかなスパイシーさがバランスよく調和しています。華やかで軽やかなフローラルなアロマは、香りを嗅いだ瞬間に気分を和らげ、心を落ち着かせてくれるでしょう。この豊かな香りに包まれながら、滑らかな口当たりとフルーティーな酸味がリラックスしたひとときを演出します。   ブルーマウンテン ジャマイカのブルーマウンテンコーヒーは、世界的に高く評価されるコーヒーです。標高の高いブルーマウンテン地域の涼しい気候と豊富な降雨、適度な日照が、コーヒーチェリーの成熟をゆっくりと促し、繊細で奥深い風味を育みます。ブルーマウンテンは、滑らかな口当たりとバランスの取れた酸味に加え、果実や花を思わせる芳醇な香りが特徴です。軽やかなボディとまろやかな後味が、リラックスした時間を提供してくれるでしょう。   焙煎度合いとリラックス効果の関係 コーヒーの焙煎度によって、香りや味わいは大きく変わり、それがリラックス効果にも影響を与えます。浅煎りと深煎りでは、風味や香りがまったく異なる特徴を持つのです。ここでは、浅煎りと深煎りの違いに加え、自然な甘みを引き出す焙煎方法について解説します。 浅煎りか深煎り|香りと味わいの違い 浅煎りコーヒーは、豆本来のフルーティーで酸味のある風味を強調します。特に軽やかなアロマが特徴で、柑橘系やベリーを思わせる香りが鼻に広がり、心を軽くほぐすようなリフレッシュ感を与えます。 一方、深煎りのコーヒーは、より重厚でビターな風味を持ち、チョコレートやキャラメルのような甘さが感じられるのが特徴です。焙煎時間が長いため、酸味は抑えられ、芳醇な香ばしさが際立ちます。深煎りの豊かなアロマは、心を落ち着かせ、ゆったりとした時間を過ごしたいときにぴったりです。   自然な甘みを引き出す焙煎方法 自然な甘みを引き出すためには、中深煎りから深煎りの焙煎が適しています。この焙煎方法では、豆に含まれる糖分がキャラメリゼされ、甘く香ばしい風味が引き立ちます。こうして生まれる自然な甘さ、口の中に心地よく広がり、余韻を楽しみながらリラックスできる一杯となるでしょう。ほっと一息つきたいときや、一日の終りに、まさにぴったりの一杯です。   カフェレート-コーヒーを食べる-でリラックスタイム...

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フルーティーなコーヒーの魅力を徹底解説 酸味や華やかな風味の楽しみ方

フルーティーなコーヒーの魅力を徹底解説 酸味や華やかな風味の楽しみ方

中永紗瑠

コーヒーと聞くと、多くの人が「苦味」を思い浮かべるかもしれません。確かに、苦味はコーヒーの風味を形作る要素の一つですが、実はそれだけではありません。果実のような酸味や甘味も、コーヒーが持つ重要な風味の一部なのです。特にフルーティーなコーヒーは、まるで果物を味わっているかのような華やかさと鮮やかな酸味が特徴で、一口飲むと新たなコーヒーの魅力を感じることでしょう。 本記事では、そんなフルーティーなコーヒーの魅力に焦点を当て、さまざまな種類の特徴や、その楽しみ方について詳しく紹介します。   コーヒーの「フルーティーさ」の正体は? フルーティーなコーヒーとは、まるで果物のような風味を感じさせるコーヒーのことです。ベリーや柑橘、トロピカルフルーツを思わせる、華やかで明るい味わいが多いです。これは、コーヒー豆が持つ独自の成分が、環境条件や処理方法によって引き出されることで生まれます。まずは、フルーティーなコーヒーの正体を探っていきましょう。   コーヒーの風味における「酸味」と「甘み」 コーヒーにおける「酸味」とは、フルーティーさや爽やかさを感じさせる、重要な風味の要素です。この酸味は、ベリーや柑橘類に似たフレーバーと深く結びついており、フルーティーな特徴を持つコーヒーの魅力を引き立てます。 一方で、「甘み」は、コーヒー豆の焙煎によって生成されるカラメル化した成分や、豆そのものが持つ自然な風味から感じられます。理想的なフルーティーコーヒーでは、この酸味と甘みがバランス良く調和し、華やかで複雑な風味を生み出します。   スペシャルティコーヒーとの関係 スペシャルティコーヒーとは、栽培環境や収穫、精選方法、さらにはカッピングスコアなど、厳格な基準を満たした高品質なコーヒー豆のことを指します。中でも、ベリーや柑橘類を思わせるフルーティーな風味を持つコーヒーは、その複雑で繊細な味わいが評価され、非常に高い人気を誇ります。   フルーティーコーヒーの種類 フルーティーコーヒーは、豆の品種や産地、そして処理方法によって多くの種類が存在し、それぞれ個性的な香りや風味を持ちます。ここでは、代表的なフルーティーコーヒーの特徴を紹介します。   ベリー系フルーティーなコーヒー ベリー系のフルーティーなコーヒーは、ブラックベリーやラズベリー、ブルーベリーといった赤や黒の果実を思わせる爽やかな風味が特徴です。特に、エチオピアやケニアなどのアフリカ産の豆では、明るい酸味が際立ちます。焙煎度合いによっては、チェリーやストーンフルーツのような果実感が引き立ち、軽やかな酸味が口の中で広がるとともに、クリーンな口当たりが残ります。 柑橘系フルーティーなコーヒー 柑橘系のフルーティーなコーヒーは、オレンジやレモン、グレープフルーツのような明るく爽やかな酸味が特徴です。この鮮やかな酸味は、特にエチオピアやケニア産の豆でよく見られ、フレッシュで華やかなアロマが際立ちます。柑橘系の酸味は、軽やかなボディのコーヒーと絶妙に調和し、特に浅煎りの豆から引き出されることが多いです。口に含んだ瞬間、まるで果実のようなフレーバーが広がり、爽やかな余韻が心地よく続くのも魅力の一つです。   トロピカルフルーツ系フルーティーなコーヒー トロピカルフルーツ系のコーヒーは、マンゴーやパイナップル、パッションフルーツといった南国の果実を思わせる、濃厚でジューシーな甘みが際立つのが特徴です。この風味は、コロンビアやパナマといった中米産コーヒーでよく見られます。浅煎りにすることで、明るく爽やかな酸味とフルーツの甘みが一層引き立ち、その複雑さを楽しむことができます。豊かな味わいを持ちながらも、後味はすっきりとしていて、非常にバランスのとれた一杯を楽しむことができます。 ドライフルーツ系フルーティーなコーヒー ドライフルーツ系のコーヒーは、レーズンやプラムを彷彿とさせる深みのある風味が特徴です。特に中煎りでは、熟した果実を思わせるリッチで芳醇なフレーバーが際立ち、その複雑な味わいが一層引き立ちます。こうしたプロファイルは、ナチュラルプロセスで処理されたエチオピア産のコーヒー豆や、南米の特定地域で栽培された豆でよく見られます。しっかりとしたボディとともに、洗練されたフルーツ感がじんわりと口中に広がり、まるで一杯の中に凝縮された果実のエッセンスを楽しんでいるかのような感覚を味わえるでしょう。   フルーティーなコーヒーの味わいを決定する要素 フルーティーなコーヒーの味わいは、コーヒー豆の産地や品質、焙煎方法といった多くの要因がそれぞれ密接に関わることで決定されます。それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。   コーヒー豆の産地とその影響...

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